東京電力福島第1原発事故で避難した福島県南相馬市原町区の住民らが起こした集団訴訟で、住民側の勝訴判決確定を受けて、東電側が16日、同市で原告らに謝罪した。同種の集団訴訟で、判決確定を受けた東電側の公式謝罪は2例目。
この日は、東電ホールディングス(HD)福島復興本社の高原一嘉代表が「防ぐべき事故を防げなかったことについて深く反省するとともに、二度とこうした事故を起こさぬよう安全対策を徹底する」とする小早川智明社長の謝罪文を代読した。
原告団の代表は「謝罪は素直に受け止めたい」としながらも、「事故の処理は、今回の謝罪や賠償で終了するわけではない」と強調し「真の意味で福島への責任の貫徹を」と訴えた。
原告らは2015年9月に福島地裁いわき支部に提訴。一、二審とも賠償支払いを命じられた東電側は、今年3月に上告を取り下げ、判決が確定した。
東電は日にも、同県いわき市で同種の訴訟の原告側と面会し、謝罪する。