白老町手話言語条例が施行された1日、町社会福祉協議会と町ボランティアセンターは2023年度ボランティア体験学習「ちょびっとボランティア」を、町東町の町総合保健福祉センターで行った。町内の中学生から高齢者まで延べ約30人が、手話通訳者らから日常で使える手話などを学んだ。
20年以上続く取り組み。町民や福祉分野に進路を目指す生徒らが年1回、ハンディキャップのある人と触れ合い、ボランティアを体験し、福祉の知識を習得する場としている。
講師は、町内の手話通訳者、田村直美さん(51)と聴覚にハンディキャップがある吉原和香奈さん(37)。田村さんは「条例が成立し、手話への関心が高まっている。体験学習を通じ、コミュニケーションの楽しさなど手話に興味を持つきっかけにしてほしい」と話した。
2人は、手話について「聞こえない人たちにとっての母語」と説明。「日常的な動作が元になっており、難しく考えないで」とアドバイスし、あいさつや「楽しい」「悲しい」などの感情を表現する手話を紹介した。また「食べる」を伝える時は、使う食器や料理によって動きが違うことなどを伝えた。
高校生の姉と参加した白老白翔中学校2年の湯浅結梨奈さん(13)は、手話を少し学んだ経験があり「自分の手話が相手に通じてうれしかった。もっと学びたい」と笑顔を見せていた。
同学習では、視覚障害に関するガイドヘルパー体験も行われた。
田村さんは町社台のカフェ「ミナパチセ」で、毎週第1金曜(午後1~3時)と第2金曜(同6~8時)に無料の手話教室を開いている。予約不要で出入りは自由。