国税庁は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年分の土地の路線価(1月1日時点)を公表した。住宅地や商業地などを含む標準宅地の評価基準額は全国平均で22年を1・5%上回り、2年連続で上昇した。景気が緩やかに持ち直していることに加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響が緩和し、都市部を中心に回復傾向が続いているという。
路線価は25都道府県で上昇。プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場(北広島市)が今春に開業し、札幌市周辺の住宅地需要も好調な北海道が上昇率6・8%と最も高かった。マンション需要が堅調な福岡が4・5%、宮城は仙台市南部を中心に住宅地の上昇が目立ち4・4%伸びた。
兵庫や秋田など5県は変動率がマイナスからプラスに転じた。和歌山や愛媛など20県では22年に続き下落。ただ、下落率は福井を除く19県で縮小した。
都道府県庁所在地の最高路線価は、上昇が29、横ばいは13、下落は4にとどまった。上昇率の最高は再開発が進む岡山市の9・3%で、北海道新幹線延伸を控える札幌市が8・4%で続いた。最も下がったのは鳥取市で3・0%、盛岡市も2・2%下落した。千葉市は調査地点を変更したため、22年との比較ができなかった。
路線価の最高額は東京・銀座の鳩居堂前で、1平方メートル当たり4272万円。38年連続でトップを維持し、22年比で1・1%増となった。2位は大阪市北区・御堂筋の1920万円で、同1・3%増。3位は横浜市のJR横浜駅西口バスターミナル前通りで、同1・4%増の1680万円だった。