スロバキアの思い出 奥山(おくやま) 由(ゆい)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年7月1日

  欧州にあるスロバキアは、かつてはチェコスロバキアとして一つの国でした。1993年に分離したことでご存じの方も多いかと思います。さらにさかのぼると、以前はユーゴスラビアとしてまとまっていた六つの国の一つでもありました。

   私が初めて行ったのは大学院博士後期課程1年生の夏でした。その後、同国の首都ブラチスラバにあるコメニウス大学に研究留学させていただく機会があり、欧州で最も訪問している国です。大きな魅力の一つに、ブラチスラバにある旧市街地が挙げられます。日本から飛行機で行く直行便はないため、周辺諸国からの乗り継ぎ便、あるいは車やバスでの陸路移動となります。最寄りはオーストリアの首都ウィーンであり、車であれば1時間程度で行くことが可能です。スロバキア、オーストリアともにシェンゲン協定加盟国ですので、国境を超える際の出入国審査がなく、高速道路途中で超える際は、日本の県境のような印象を受けます。

   陸路以外に、ウィーンからドナウ川を高速船でブラチスラバまで下る方法もあります。天気が良いと景観も素晴らしいので、私は夏場、船を使う場合が多いです。残念ながら冬場の運航はありませんが、それもそのはず、寒い時にはドナウ川上流から流氷が流れてくることがあります。私もコメニウス大学留学中に見ましたが、非常に幻想的な光景でした。

   今回、スロバキアの紹介ということで、ブラチスラバの魅力についてもっと語りたかったのですが、もうスペースがないので、次回も紹介したいと思います。

  (苫小牧工業高等専門学校准教授)

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