厚真町の厚南中学校(石崎和昌校長)の1年生は29日、社会科授業の一環で町軽舞の軽舞遺跡調査整理事務所を訪れ、縄文土器作りを体験した。生徒16人が粘土を使って器を作り、縄文文化に理解を深めた。
昨年、歴史学習を進める中で、実際に土器作りを体験させようと、同校が町教育委員会に打診して始まった試み。町教委の乾哲也学芸員と奈良智法学芸員が講師を務めた。
生徒たちは、器の土台になる底の上に粘土を輪にして重ねていく「輪積み」の方法で土器作りに挑戦した。最初は苦戦していたが、輪と輪のつなぎ目や割れ目を、指でこすりながら水を使って補修するなど、焼いた時に割れたりひびが入ったりしないよう工夫を凝らし丁寧に作業。それぞれ、おしゃれな小皿や大きな器などオリジナルの土器を作った。
この日に手掛けた土器は乾燥、焼き上げを経て、10月ごろに完成する見通し。
館山太雪さん(12)は「初めての体験だったが、まずまずよくできたのかなと思う。何に使うかは考えていないが、(焼いた時に)割れずにきれいにできれば」と完成を楽しみに。乾学芸員は縄文土器のきめ細かな模様などから「(現代人の)手先の器用さは、縄文時代の人から育まれてきたものなのでは」などと伝えていた。