夏を代表する花、ヒマワリ。苫小牧地方もようやく好天が続き、夏空に首を高く伸ばした黄色い大輪が彩るのももうすぐだ。「太陽の花」とも呼ばれるヒマワリはいつも太陽の方角を向いて動くと言われるが、それは花が咲く前のつぼみのうちだけで、開花後は大半が東の空を見ているのだそうだ。
通常国会は当初予定した150日の会期通り21日に閉会した。岸田文雄首相をはじめとする政府関係者や政権与党の幹部は、提出法案60件のうち58件が成立したと今国会の成果を強調するが、その中身を見ると異次元の少子化対策や防衛費増額の財源確保など不透明な点も多い。「令和版デジタル社会実現」の要となるマイナンバー制度を巡る問題への対応もこれからだ。国会議員に月100万円支給の旧文書交通滞在費見直しも持ち越しとなった。国民の関心事にふたをしたり先送りしたりする一方、年内にはあるとされる解散・総選挙に向けて与野党共に駆け引きと神経戦を展開する。
ヒマワリの花言葉は「私はあなただけを見詰める」。気象衛星ひまわりは常に地球を見詰め、貴重な気象情報を送ってくる。国会議員も、成熟したヒマワリのように国民にもっと目を向けなければ、いつか手痛い思いをするだろう。(教)