白老町内で先住民族史などを学ぶパリ・ナンテール大学の大学院生ローマン・バチュさん(29)は19日、町大町の白老中央生活館でフランスの家庭料理を紹介し、調理に参加した町民12人と交流した。チーズグラタン入りの「オニオンスープ」と、ナスやズッキーニなどたっぷりの野菜をトマトで煮込んだ「ラタトゥイユ」を作った。
バチュさんは国内外の先住民族の生活や歴史に関心を持ち、昨年10月に来町した。来月初旬の帰国を前に、フランスの一般家庭の食卓に並ぶ料理を食べ、フランスにおける女性の権利史や生活の変化などについて語り合おう―と、親交がある町高砂町の団体職員、山田美郷さん(57)ら町民有志が企画した。
参加者は互いに簡単な自己紹介をした後、バチュさんの手ほどきで調理を開始。野菜を切るなど下ごしらえをし、休憩を挟みながら正午前に2品を完成させた。
和やかに食事を楽しんだバチュさんは、白老での滞在を振り返り「みんな温かく、優しく接してくれた。町民全員と交流したいくらいだったが帰国の時間が来てしまった。白老での経験を今後の学びに生かしたい」と語った。