全国保険医団体連合会は21日、マイナンバーカードと健康保険証が一体化した「マイナ保険証」について、医療機関に行った実態調査の結果を公表した。「トラブルがあった」と回答したのは全体の65%。このうち患者の保険資格を確認できず、「10割負担を請求した」ケースは少なくとも776件あった。
会見した連合会の住江憲勇会長は「このままでは国民の命や健康、個人情報、財産を大きく損なう恐れがある。直ちに(マイナ保険証の)運用を停止すべきだ」と主張。また「来年秋の保険証廃止方針を撤回し、存続させるべきだ」と訴えた。
調査は5月23日~6月19日、連合会所属の6万6462医療機関を対象に実施。回答したのは41都道府県の1万26施設だった。マイナ保険証を扱う8437施設の65%に当たる5493施設が「トラブルがあった」と回答。資格確認システムに「無効・該当資格なし」と表示されたのは3640施設だった。
オンラインで保険資格を確認できなかったため、「いったん10割負担を請求した」ケースは38都道府県で少なくとも776件あった。9日に公表した実態調査中間結果の同533件から243件増えた。「他人の情報がひも付けられていた」事例は31都府県で114件見つかり、前回公表時から29件増えた。
この他、医療機関の窓口で本人確認を行う際に、マイナ保険証所有者と別の人の顔が認証されたケースが複数あった。