【ジャカルタ時事】インドネシアを公式訪問中の天皇、皇后両陛下は19日夜、首都ジャカルタの滞在先のホテルで、日本とゆかりのあるインドネシア人計61人と面会された。太平洋戦争終結後も同国に残り、オランダとの独立戦争に加わった旧日本兵の子孫4人とも懇談し、いたわりの言葉を掛けた。
子孫らでつくる互助団体「福祉友の会」会長のヘル・サントソ衛藤さん(63)は、残留日本兵だった衛藤七男さん(2003年に死去)を父に持つ。父は無戸籍状態で厳しい時期があったと話すと、天皇陛下は「大変ご苦労なさいましたね」といたわった。
皇后さまは、七男さんら残留日本兵28人も埋葬されているカリバタ英雄墓地を20日訪れることに対し、「心を込めて供花させていただきたいです」と述べたという。
ヘルさんは終了後、「1世は天国で喜んでいると思う。(日本とインドネシアの)友好関係を深化する活動に力を入れたい」と話していた。
インドネシアはオランダの植民地だったが、太平洋戦争中の1942年から終戦までの約3年半、日本が統治。終戦後、再びインドネシアを統治下に置こうとしたオランダとの独立戦争に、多くの旧日本兵が身を投じ、犠牲になった。残留日本兵の最後の一人だった小野盛さんは年に死去した。