【北京時事】ブリンケン米国務長官は18日、北京の釣魚台迎賓館で中国の秦剛国務委員兼外相と会談した。米中関係の悪化が軍事衝突に至る事態を避けるべく、「意思疎通のチャンネルの維持」で一致。協議継続のため、秦氏のワシントン訪問についても合意した。米メディアによると、会談は夕食も含めて7時間半に及んだ。ブリンケン氏の滞在は19日までで、中国外交トップの王毅・共産党政治局員と会談する予定。習近平国家主席との会談も調整しているもようだ。
秦氏は、台湾問題が米中関係の「最も重大な問題であり、突出したリスクだ」と語り、米台の接近をけん制。一方で、米中関係の悪化は「両国民の利益にも国際社会の期待にも合致しない」と述べ、関係安定化に意欲を示した。
米中双方は発表で、会談を「率直で建設的」だったと評価。共同声明などはなく、関係改善への大幅な進展はみられなかったが、高官同士の直接対話を重ねることで偶発的な衝突を回避したい考えだ。米側には、年内の米中首脳会談実現へ向けて弾みをつけたい思惑も浮かぶ。
国務長官の訪中は2018年以来約5年ぶりで、バイデン米政権下では初めて。昨年11月にインドネシアで行われた米中首脳会談の合意に基づき、当初は今年2月の訪問を予定していたが、中国の偵察気球が米本土に飛来した問題を受け、延期されていた。