夜明けが早い。若葉の間を吹き抜けて、初夏の薫りを運ぶ風を「薫風(くんぷう)」と呼ぶそうだ。先日はそんな風も吹いた。札幌の自宅マンション前のオオバボダイジュの緑も、日増しに濃くなっている。一番好きな季節の初夏。ただ、今年は夏日になる日もあるが、続かない。ジェットコースターのような気温を繰り返しながら、真夏に向かっている。
札幌で暮らし始めて楽しみの一つが、大通公園で展開される四季折々のイベント。いずれも歴史を刻んだ伝統の大きなイベントだ。新型コロナウイルス感染拡大が直撃し、3年にわたり大半が中止か行動制限を設けての開催となったが、今年は4年ぶりに通常開催に切り替えられた。先陣を切った5月の「第65回さっぽろライラックまつり」は、コロナ前を上回る過去最多の71万人が来場。まだコロナが消えたわけではないが、これまで抑圧され続けた反動なのかもしれない。
昨日からは雨上がりの夕暮れのメインステージで「第32回YOSAKOIソーラン祭り」が開幕。例年200万人の観客を動員する道都の初夏の風物詩。今年は感染対策を大幅に緩和し、昨年義務付けた踊り子のマスク着用も撤廃した。韓国、香港を含む道内外の約240チームが参加。11日まで熱い演舞が続く。(広)