おいしい物にはつい手が伸びてしまう若い頃の牛飲馬食のような生活が災いしたのか、面目なく体調を崩して1カ月ほど苫小牧市内の医療機関にお世話になった。発熱を繰り返してコロナ感染ではない体調の異常を感じ、医師の診察を受けた結果、肝臓に疾患が見つかった。
初めての長期入院と病状に不安が募る中、医療スタッフの方々にさまざまな形で励まされた。解熱剤を飲むと汗びっしょり。着替え用の新しい病衣と熱いタオル2枚を持って来てくれた看護師の方の優しさ。ぬれた病衣を回収する際、「また、汗をかいたらいつでも言ってください。すぐに新しいものをお持ちしますから」という何気ない言葉が心に染みた。
同室に検査入院した高齢男性は、2時間で薬液2リットルも飲まなければならない課題を与えられた。別の看護師の方が「少しずつでいいから。大変だけど、一緒に頑張ろう」と話し掛け、男性に寄り添う優しい姿勢を見て気持ちが安らいだ。
人工知能(AI)が社会生活に浸透すると、現在ある職種のおよそ半数が消滅するとも言われる。しかし、人と人が心を通わせ、細やかなサービスが求められる看護や介護職の業務はAIでは到底賄い切れない。看護や介護職の方々のすごさを実感する日々となった。(教)