叔母(61)に毒性の強いタリウムを摂取させて殺害しようとしたとして、殺人未遂容疑で再逮捕された宮本一希容疑者(37)=殺人罪で起訴=が、叔母が意識不明で入院している医療機関に対し、延命治療の中止を求めていたことが26日、捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は、財産目的で死亡させようとした可能性があるとみて調べている。
宮本容疑者は、2020年7月中旬に叔母をタリウムで殺害しようとした容疑で再逮捕された。叔母は回復の見込みがない意識不明の状態で、入院を続けている。
捜査関係者によると、宮本容疑者は22年11月、医療機関に「(叔母を)楽にさせてやりたい」との趣旨を伝え、延命治療をやめるよう申し出た。医療機関は応じなかったという。
府警捜査1課によると、宮本容疑者は叔母が経営していた不動産会社での勤務を望んだが、拒否された。代わりに、親族が役員を務める会社で取締役に就いたが、数十万円~数百万円の使途不明金が複数回引き出され、経営が悪化。叔母により20年2月、取締役を解任された。その後、別会社の代表取締役とされたが、使える金は限られたという。
宮本容疑者は叔母が入院した約3カ月後の20年10月、叔母の不動産会社の代表取締役に就任。その後、叔母名義の不動産を売却したり、会社名義に変更したりしたという。
宮本容疑者は22年10月、京都市の立命館大3年浜野日菜子さん=当時(21)=にタリウムを摂取させ殺害した殺人容疑で、今年3月に逮捕、起訴されている。