札幌市中心部の商業ビル「ピヴォ」が16日、営業を終えた。建物の老朽化などが理由という。大学時代、アルバイト先がすぐそばでよく利用していたので寂しい。はやり物が中心のファッションビルらしくテナントの多くが数年で入れ替わっていたのが印象的。まちの活気のシンボルで、新陳代謝の象徴でもあった。
建物は取り壊され、跡地に2026年度後半、商業施設やホテルなどが入る複合ビルが開業予定。札幌では1970年前後に完成した建物の更新時期に合わせ、再開発の動きが加速している。JR苫小牧駅前も近年、商業施設の閉店が相次ぎ旧エガオの空きビル状態は約8年続く。諸問題が解決し再開発が決まったとして、百貨店が苦戦する時代の商業ビルの核テナント探しは容易ではない。
ピヴォはタワーレコードが核テナントの一つで、数百メートル離れた「プリヴィ」から移転した時には客も大移動した。90年代後半、外資系大型CD店の集客力はすごかった。掘り出し物と出合えるのが実店舗の魅力だが音楽もサブスク(定額聴き放題)の時代を迎え、CD店は中古、レンタルを含めこの数年で一気に姿を消した。コロナ禍で巣ごもり消費という新しい消費トレンドが浸透したことも、新陳代謝に拍車を掛けている。(輝)