仙台藩白老元陣屋資料館(白老町陣屋町)のボランティア会員になっている白老東高校の生徒4人は6月2日、愛知県から修学旅行の高校生約40人を受け入れ、展示史料の解説を担当する。生徒たちを応援しよう―と、同館やボランティア組織「友の会」会員ら14人は20日、4人を連れて北斗市の史跡松前藩戸切地(へきりち)陣屋跡などを見学し、ガイドのポイントを学んだ。
北斗市の郷土史料館や陣屋跡では、同市教育委員会元学芸員の森靖裕さんが解説を担当した。同陣屋跡は江戸幕末期の箱館開港に伴い、松前藩が蝦夷地防衛のため1855(安政2)年に構築した国内初の西洋式星型要塞。1979~2001年に整備され、森さんは陣屋が作られた経緯や箱館戦争でどのように用いられてきたかなどを説明。学生はメモを取りながら熱心に耳を傾けた。
3年の加藤雫さん(17)は「同世代の人へのガイドは初めて。(森さんの)話し方や歴史的背景をすらすらと説明できるガイドを参考にしたい」と笑顔。千葉瑞椛さん(17)は「白老と道南の関わりをもっと勉強して分かりやすく伝えたい」と意欲を見せた。2年の船越菜々子さん(16)は「同じ目線でガイドできるよう頑張りたい」、堀部京香さん(16)は「学生たちが楽しくなるようなガイドに努めたい」と話していた。
生徒を引率した同校教諭で同じくガイドボランティアの志田修さん(56)は「解説を受ける立場から学べることもある。向上のきっかけにして今後の学習にもつなげてもらえたら」と期待した。
地域学講座「館長とまち歩き」の一環で今回の史跡巡りを企画した仙台藩白老元陣屋資料館の武永真館長は「現地でガイドをしてくれた森さんらは『来てくれてありがとう』という気持ちが解説に表れていた。発見した改善点を生かして」とエールを送っていた。