カナダ・ビショップス大学に在籍する先住民族の学生7人は20日、白老町東町在住の詩人で古布絵作家の宇梶静江さんと懇談した。カナダ政府が支援する海外派遣プログラムの一環で、この日のツアーは白老おもてなしガイドセンターのガイドらが企画した。
懇談会場となった町東町のシマフクロウの家では、イヌイットの学生が植民地支配時代には禁止されていたという喉歌(のどうた)を披露したり、ムックリ(口琴)を体験するなどして交流した。
同センターの岩城達己代表は「先住民同士の交流がウポポイのある白老で実現するのは素晴らしいこと。今後は地元の高校生にポロトの森ガイドに参画してもらうなど、地域の文化や歴史に理解を広げる取り組みを進めていきたい」と話していた。
一行は、カナダの先住民イヌイットやクリー族、モホーク族などにルーツがある学生らで、先住民言語が禁じられ、消滅の可能性が指摘されるなどアイヌ民族史との共通性がある。18日から21日まで白老町に滞在し、宇梶さんとの出会いを特に楽しみにしていたという。
20日は同センターのガイドらとポロト自然休養林を散策。アイヌ民族のアットゥシ織りに使われたニレ科のオヒョウなどを紹介したほか、たき火を囲んで昼食を楽しんだ。