むかわ町福住3の両川武弘さん(80)宅の庭で、クマガイソウが見頃となった。袋を提げたように下向きに咲く、白と紫の珍しい花が近隣住民の目を楽しませている。
クマガイソウはラン科アツモリソウ属の一種で、北海道南部から九州にかけて分布。いまは環境省が絶滅危惧種に指定している。両川さんは30年ほど前、現在の自宅に住み始めたのをきっかけに、知人から譲り受けて植えた。年々大きな集団をつくるように群生し、今年は100本ほどが開花したという。
クマガイソウは主に森林や竹林など木陰で自生し、庭で栽培するのは難しいと言われる。両川さんは「特別なことはしていない。庭にある木が陰をつくり、落ち葉が腐葉土になっているのでは」と推測する。
4~6月が見頃とされ、「花に興味のある人が『時期が限られているから』とよく見に来ます」とほほ笑む。