ご縁 桃井(ももい) 直樹(なおき)

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年5月11日

  人生100年時代と言われるほど、近年、超高齢化が進んでいます。福祉関係の仕事の需要は当面あり、介護職などの人材は非常に必要とされています。

   福祉業界で働く若い人は以前に比べると増えていますが、高齢者の方が増えているのでまだまだ足りず、若い人に定着してもらうためのサポートや環境づくりが必要です。

   私は介護、福祉のさまざまな職場でいろいろな人と出会い、多くのことを学んで現在に至ります。その中で出会った人とのご縁を一つ紹介します。

   今から12年前、私が今の職場で働き始めた頃、事務所の電話が鳴りました。かけてきたのは生まれも育ちも苫小牧市で、札幌市の専門学校に通っている男子学生でした。地域の活動に興味があり、話を聞きたいと言うので、会って話しました。その後、彼は休みの期間を利用し、市内で開かれる介護予防教室でボランティアをしてくれました。

   学校を卒業すると苫小牧で就職。介護職や相談職を務めましたが、仕事の大変さもあって体調を崩し、いったん仕事を離れました。親しくなっていたので、療養中も定期的に会って話すうち、福祉の道に進んだ志ある若い芽を摘んではいけないと思いました。そこで体調の回復を待って私の上司に相談、系列部署の介護現場で働くことになりました。

   それから数年経過し、今は私と同じ職場で、専門性を生かし戦力になってくれています。若い方々は、適切な支援があれば伸びていく力を持っているということ。彼の今後のさらなる活躍を期待しています。

  (苫小牧市南地域包括支援センター管理者)

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