厚真町教育委員会はゴールデンウイーク最終日の7日、町内軽舞の軽舞遺跡調査整理事務所を一般に特別開放した。縄文時代の土器や、かつて使用されていた農機具など1万点以上ある貴重品が展示されたほか、幌里地区にあった学校の様子を伝える上映会も行われ、町内外から訪れた歴史に興味を持つ人や家族連れらを楽しませた。
同事務所は通常、平日のみ開館しているが、「平日だとなかなか来られない」という声を受けて開催。昨年秋に行った開放事業が好評だったことから、今回改めて企画した。
施設の入り口前には、縄文土器や石器、黒曜石などがずらりと並んだ。アイヌ民族の生活を伝えるエゾシカの頭骨の復元や、2018年9月の胆振東部地震で山腹崩壊が起きた幌内地区の山の様子を再現した3D模型などもあり、学芸員が解説しながら紹介した。
貴重な資料の数々に来館者からは「すごい規模が大きい」「一日では見切れない」と驚く声がたくさん寄せられた。8ミリ映写機を使った上映会では、旧幌里小中学校で行われた運動会の様子などを映像で紹介した。
町教委の乾哲也学芸員は「町民はかつてを懐かしみ、縄文やアイヌ民族のことを知りたくて来た町外の人も多かった。初めて来たという人がほとんどだった」と言い、「今後も上映会など、楽しめるものと合わせて企画できれば」と話していた。