「好きなことは人間観察です。趣味で子ども食堂をやっています」
先日、娘の学級懇談会に参加した。久しぶりの一堂に会する懇談会で、担任の先生はもちろんのこと、多くの親と初めての対面。和やかなムードの中、一人ずつ簡単な自己紹介をするよう促されたので、こっそりとこの自己紹介をすることにした。
実は、ある時「子ども食堂は趣味」と言ったら、スタッフに怒られたことがあった。たとえ小さな活動でも、頼りにしてくれる子どもや保護者がいるのに「趣味」だなんて、と。それからというもの、この自己紹介は封印しているからだ。
子ども食堂を運営していると、理不尽で、悔しくて、いら立って、泣きたくなるようなことがたくさん起こる。大切にしているものを価値のないもののように扱われたり、大人から子どもに対する不当な扱いを頻繁に目の当たりにしたり、実はその逆もあって、子どもから大人に向けられる暴力や性加害なども多発している。
自分の無力さにカウンターパンチを食らって、すべての気力を失って地に倒れこんでも、むくむくと湧いてくる興味や探求心が栄養源となり、ゾンビのようにはい上がり、また活動に戻っている。子育ての闇、ひいては人間関係の闇を知ることは、つらさを伴うことだが、どんな難題が降り掛かろうと、それに向き合い続け、乗り越える土台になるものが好きという感覚だと思う。
私は人間観察が好きだ。子ども食堂は私の趣味なんだ。
…という独り言でした。
(NPO法人木と風の香り代表・苫小牧)