白老町若草町の民族共生象徴空間(ウポポイ)は29日から、ゴールデンウイーク(GW)特別プログラムを実施する。体験交流ホールでは、過去の同化政策によって失われた歌や踊りを復元した伝統芸能「イメル」を上演する。
イメルはアイヌ語で「稲光」の意味。公演は20分ほどで、大正から昭和にかけて残された写真や音声、映像を基に復元したサルルンカムイ リムセ(鶴の踊り)やタプカラ(踏舞)など6演目を繰り広げる。伝統と格式を重んじた動きに、最新技術の照明や煙幕装置を使って歌や踊りの美しさを強調。伝統芸能の新しい可能性に挑戦する次代の担い手をイメル(稲光)が照らし出す。
出演者のリーダー役を担う山道ヒビキさん(34)は「公演がアイヌ文化に興味を持つきっかけになればうれしい」と意気込む。演目の復元や監修に関わった野本正博文化振興部長(60)は「古くから伝わる演目を新たな技術で演出し、楽しんでいただきながら学びもある内容とした」と話している。
公演は4月29日~5月2日、5月4~6日の午後1時半から。観覧無料(ウポポイ入場料は別途)で整理券を配布する。各定員303人。3、7日は伝統芸能「イノミ」を上演する。
また29日午前10時から、ウポポイ敷地内のポロト湖畔で丸木舟の舟おろしの儀礼「チプサンケ」を行う。5月1日午前9時半からは、ポロチセ(伝統的家屋)で伝統儀礼「月初めのカムイノミ」を見学できる。国立アイヌ民族博物館では14日まで、テーマ展示「地域からみたアイヌ文化展 アカント ウン コタン―阿寒湖畔のアイヌ文化」を開催中。
期間中のイベント詳細は公式ホームページ(https://ainu-upopoy.jp/)。