自分ごととして考える 田村 直美

  • ゆのみ, 特集
  • 2023年4月18日

  先日、雪解けから初めての海岸清掃をしました。捨てられたごみ、流れ着いたごみ、かなりの量でした。

   一昨年から始めた海岸清掃。全て拾い切れるわけではありませんが、少しでもきれいにしたいという思いで続ける中、ある時ふと思いました。「どうしてごみ拾いや掃除をすると気持ちがすっきりするのかな…」

   そして、ある言葉がヒントになり、私の中で答えが導き出されました。それは私がアイヌのルーツを受け入れられたきっかけの言葉「アイヌ民族は自分たちも自然の一部という精神性を持つ民族である」でした。この言葉を思い出した時、自分も自然の一部、ということは海岸(自然)も自分の一部。清掃をすると自分をきれいにしていると同じなのだから、気持ちがすっきりするのだとふに落ちました。

   環境を自分と関係のない外側のことではなく、「自分ごと」として捉える。活動は一歩一歩ですが、私の思いに共感し、白老以外からも一緒に清掃したいと言ってくださる方が増えています。感謝があふれます。

   何かを買う時は、捨てる時のことも考える。そうすると簡単に買うことが減りました。ごみを拾うだけではなく、ごみを増やさないことを意識した生活を心掛ける。とても大事なことだと感じています。

  (NPO法人ウテカンパ理事・白老)

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