アイヌ文化に興味を持つフランスの大学院生が、白老町に滞在し、町民と交流を深めている。社台のカフェ・ミナパチセで刺しゅうを学ぶ一方、フランスの言葉や文化を町民に伝える交流会も開いている。
昨年10月に来町したパリ・ナンテール大学の大学院生ローマン・バチュさん(29)。社会学と文化人類学を専攻し、アイヌ民族の暮らしや受難の歴史、日本政府の対応などを学ぶため7月まで滞在する。6年ほど前からアイヌ文化に関心を持ち、調べてきたという。
ミナパチセを経営する店主の田村直美さん(51)は、地域のコタンコロクル(村主)森サリキテ佐代吉(1862~1924年)のひ孫。バチュさんが田村さんを知って交流が始まり、田村さんからの依頼で今年1月から、バチュさんがフランスについて伝える会も月1回程度開くことになった。
10日には、欧米の文化で復活祭を意味するイースターを紹介し、水彩絵の具などで卵を彩色するイースターエッグ作りを町民と一緒に楽しんだ。田村さんは同店を拠点に女性サロンなどを展開するNPO法人ウテカンパを主宰しており、フランス国内の女性の権利や現代の流行についてもテーマにしたいという。
次回は5月29日午後1時から同店で。6月17日には多文化共生をテーマとしたウテカンパ主催の国際交流会(社台生活館)にも出席を予定している。滞在を終える7月以降もオンライン会議システム「ズーム」を使った交流を続けたい考えで、バチュさんは「白老町の歴史や町ならではの文化について知るため、もっとまちの皆さんと交流を深めたい」と意気込んでいる。
問い合わせは田村さん 携帯電話080(1874)3624。