先日、当団体の地域女性活躍推進事業の一環として、苫小牧市の納棺師、山田麻以氏を迎え「デスカフェ」を開催しました。参加された方たちは親子、夫婦、友人、とさまざま。デスカフェでは、一緒に参加した相手に向けて弔辞を書いてみるミニ弔辞ワークと納棺体験を行いました。
私たちは生まれた瞬間から「死」へ向かい歩き始めます。これはとても自然なことで、「死」は例外なく全ての人に訪れます。恐れることでも、悪いことでもありません。
デスカフェは「死」をカジュアルに語り合う場です。弔辞ワークを通じて「亡くなってからではなく、生きているうちに自分の気持ちを相手に伝えることが大切」と気付き、納棺体験を通じて「生き方」を考え直すきっかけが生まれるなど、「生」に関してぼんやりしていたことが鮮明になります。「この年齢までにやることをやったからいつ死んでもいいと思っていたが、ひつぎに入った後は、まだやりたいことがたくさんあったと気付いた」などの感想を聞きました。
いつか死ぬ日が来ると頭では分かっていても、経験したことがないので、どうしても、ぼんやりしてしまいがちです。ひつぎに入ることで生きることに対する意識が変わり、より充実した時間を過ごすことができるのだと、皆さまのお声を聞き、感じました。
「時間=命」。時間は無限ではなく有限です。何となく過ごすのはとてももったいない。より多くの方が命の時間を輝かせるためのきっかけとしてデスカフェへの参加をお勧めします。
(NPO法人ウテカンパ理事・白老)