日本や中国、台湾など9カ国・地域がサンマの資源管理について話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)は24日、海域全体で2023~24年の年間漁獲量を22年に比べて約25%削減することで合意した。漁獲枠の削減は、近年の歴史的な不漁に危機感を強める日本が提案。北太平洋海域の公海で漁獲量が多い中国や台湾も賛成した。
年間の漁獲量は「25万トン以内」に抑制する。北太平洋海域のうち、公海での漁獲枠は現行の19万8000トンから15万トンへ、同じく25%程度削減する。日本政府の代表は会合後の記者会見で、「削減は十分ではないが、資源管理の強化に向けて進んだ」と一定の評価を示した。
日本で秋の味覚として親しまれるサンマの漁獲量は、減少が深刻だ。全国さんま棒受網漁業協同組合(東京)によると、22年の水揚げ量は前年比2%減の1万7910トンと、4年連続で過去最低を記録。価格も高騰している。
北太平洋海域の21年の総漁獲量は約9万3000トン。現行の漁獲枠は33万3750トンと、これを大幅に上回り、歯止めになっていない。このため、日本は資源量の回復に向けて実態に合った漁獲枠を設定するよう主張し、今回は海域全体の漁獲枠を17万トン、公海は10万1000トンへ、いずれも5割削減するよう訴えた。
NPFCは24日までの3日間、札幌市内で年次会合を開催。沿岸国の日本やロシアのほか、遠洋漁業を行う中国や台湾を含む9カ国・地域が参加した。