第42回全日本女子アイスホッケー選手権大会Aグループは17日、帯広の森アイスアリーナで予選トーナメント4試合が行われた。A―1グループでは苫小牧の道路建設ペリグリンがDaishinに2―1で競り勝ちグループ1位。A―2では、トヨタシグナスがSEIBUプリンセスラビッツに3―4で惜敗しグループ2位となった。
予選トーナメントが終了し、上位4チームの決勝トーナメントの組み合わせが道路建設―トヨタ、Daishin―SEIBUに決まった。実力が均衡した4強は予選から接戦を繰り広げており、苫小牧勢のビッグタイトル奪取が期待される。
▽予選A―1
道路建設ペリグリン2-1Daishin
▽得点者【道】高(富田)早川(細山田、ラック陽)【D】岸部(野呂里、佐藤)▽GK【道】増原【D】川口、佐々木
道路建設は第1ピリオド、数的不利なキルプレーで先制を許したがGK増原を中心に堅い守りで追加点を阻止。第3ピリオド7分すぎにFW高、早川と立て続けにゴールを奪って逆転、接戦を制した。
札幌インフィニティーズ2-1釧路ベアーズ
▽同A―2
SEIBUプリンセスラビッツ4-3トヨタシグナス
▽得点者【S】関(永野元、太田)宮﨑千(山下光)山下光、長岡(鈴木花)【ト】石田(桜井芽、志賀葵)石田(志賀葵、小本)佐々木愛(三浦、桜井乃)▽GK【S】小林【ト】酒井
先制を許したトヨタは第1ピリオド、数的有利なパワープレー(PP)でこの日2ゴールの活躍を見せたFW石田がゴール。FW佐々木愛が第3ピリオド開始早々にPPのチャンスで押し込み追い上げるも、その後は重なる反則で反撃の糸口をつかめず。
VORTEX SAPPORO3-2帯広クレインズレディーズ
- トヨタ、苫小牧対決へ闘志
追い上げを見せたトヨタだが、序盤の失点と重なる反則が響いた。それでも今監督は「もったいない反則が多かったが得点チャンスも多々あり、収穫は大きかった。負けはしたが次戦からが勝負」と振り返った。
試合開始から四つのラインで臨んだ。それぞれが気持ちを全面に出してプレーしたが要所で反則が続き守りの時間が多くなった。エースのFW志賀紅も相手の徹底したマークにつかまった。「先制されて追う形になってしまった。試合の運びがうまくかみ合えば」と今監督。
3点目の得点を挙げたFW佐々木愛。パワープレーのチャンスでFW三浦からのパスをGK股下へ。「落ち着いて押し込むことができた。もっとゴールに向かうプレーを増やして得点に絡んでいきたい」と話した。
試合終盤のキルプレーでは相手選手の強烈なシュートを体を張ってブロック。「GKが頑張って守ってくれていたのでゴールに届かせたくない一心だった」と勇気あるプレーにベンチも沸いた。
道路建設との準決勝。「負けられない苫小牧同士の戦い。すべてのプレーに責任を持って、シグナスらしいプレーで勝ちたい」と闘志を燃やしていた。
-道路建設、反省点を修正
Daishinとの我慢比べを制し、A―1予選首位を決めた道路建設。失点を最小限に抑え、好機を確実に物にした。
キルプレーで1失点も体を張った守りで2ピリオド終了までの苦しい時間を耐えしのいだ。読みと選択が光った落ち着いたプレーで厚みのある攻撃を展開、単発な攻撃に終わった初戦の反省点をきっちり修正した。
流れをつかんだ第3ピリオド前半にFW高が角度のないゴール横から同点弾。その直後、空いたスペースで構えるFW早川がDF細山田からのパスに合わせて逆転。FW陣のスクリーンが相手GKの視界を遮るなど、5人が連動したプレーを見せた。
がむしゃらで貪欲なプレーを得意とする第3ラインのひたむきなプレーが花を咲かせた。決勝点を挙げた早川は「ラック、後藤のスクリーンが効いた。スマイルリーグ決勝のリベンジができて良かった」と目を細めた。決勝トーナメントに向けて「今シーズンは特に悔しい思いをしてきた。改めてチームの強さを見せて、まずは準決勝を勝ちたい」と意気込みを語った。