京都市内のマンションで女子大学生が毒性の強いタリウムの摂取により殺害された事件で、殺人容疑で逮捕された不動産賃貸業の宮本一希容疑者(37)が逮捕前の大阪府警の任意聴取に対し、「(体調が悪化したので)救急車を呼ぼうとしたが、大学生が拒否した」という趣旨の説明をしていたことが6日、捜査関係者への取材で分かった。
大阪府警は虚偽説明の可能性もあるとみており、タリウムを摂取させた方法などについて引き続き捜査を進める。
宮本容疑者は昨年10月12日、京都市北区のマンションの一室で、住人の立命館大3年浜野日菜子さん=当時(21)=に何らかの方法でタリウムを摂取させ、同15日に殺害した疑いで逮捕された。司法解剖の結果、死因はタリウム中毒による急性呼吸窮迫症候群だった。同容疑者は逮捕後の調べに黙秘している。
捜査関係者によると、宮本容疑者は大阪府警の任意聴取に、同11日に京都市内のバーで浜野さんと飲食後、浜野さんの部屋で飲酒したと説明。12日未明に浜野さんのせきが止まらなくなり、救急車を呼ぼうとしたが、「ぜんそくによるものだ」と言われ拒否されたと話した。
一方で、宮本容疑者は「薬局で市販薬を買って飲ませた」との趣旨の話もしているという。大阪府警は看病を装うことで、タリウム摂取とは無関係だと見せ掛けようとしたとみている。