昨年の秋、帰宅時に運転していると、車の異常を示す今まで見たことのない警告ランプが急に点灯した。すぐ道路脇に停車し、ダッシュボードに入れてあった自動車のマニュアルを引っ張り出して調べると、「至急近くのディーラーに連絡すること」と書かれていた。急きょディーラーに持ち込んで点検してもらった結果、深刻な不具合とのこと。修理費用が高額になるため、結局買い替えることになった。
その前に乗っていた車も、急にエンジンがかからなくなり買い替えた。最近の車は高度な技術が随所に使われている。それが原因なのか分からないが、前兆がほとんど現れないまま、ある日突然不具合が生じるように思える。今回の故障も帰宅途中だからよかったけど、もし峠を走っている時だったらと思うとゾッとした。
突然の不具合は人の体も同じだ。最近、腰の調子が良くなったので、ジョギングを再開しようと思っているが、この寒い季節に外を走るのは体への負荷が大きい。そのため、暖かい季節が来るまではウオーキングを中心にしている。もともと運動の習慣があまりない私が急に激しい運動をすると、ある日突然体調が悪化するかもしれない。
現在乗っている車はとても快調だが、大きな負荷を掛けないようになるべくアクセルを吹かさないで運転している。どんなに気を付けても機械はいつか故障するものだが、それがいつなのか誰にも分からない。せめて子供たちが独立するまでは、車も体も故障しないでほしいと願っている。
(苫小牧工業高等専門学校教授)