未完の”大基”が待望の一発―。アイスホッケーアジアリーグのレッドイーグルス北海道のDF青山大基(23)が、18日のひがし北海道クレインズ戦でプロ入り初ゴールを決めた。チームのために体を張るルーキーは「結果を残せてよかった」と笑みを浮かべる。
出場32試合目にして決めた初ゴールは、地元・釧路での一振りだった。初ゴール直前、フェースオフが一度やり直しになった際、FW久慈修平から守備位置をずらすよう指示を受けたという。その数秒後、久慈のシュートが跳ね返って青山の前に転がり、迷いなくロングシュートを打ち込んだ。青山は「最初はゴールポストに隠れて、分からなかったが、(入倉)大雅さんが満面の笑みでこっちを見てくれた」と話す。同い年のFW小林斗威からも「いつゴールを決めるんだ」とハッパを掛けられていたという。
ルーキーの初ゴールを待ちわびていたのは、指揮官も同様だった。菅原宣宏監督は「持ち味の積極性と思い切りの良さが発揮された。今回のゴールが本人を勢いづけてくれると思う」と話した。
弟のFW青山晃大(21)がクレインズに所属していることから、釧路アイスアリーナには青山の親族が集合していた。試合後に両親から送られてきたのは、ゴールの瞬間に家族が盛り上がっている動画だった。「いとこやおばあちゃんも来てくれていた。少しは頑張っている姿を見せられた」
年明けからはプレータイムも増えている。この日の試合は4セット中2セット出場するダブルシフトでほぼ出ずっぱりの状態だったといい、「きつい場面もあったが、試合に出られるのがうれしかった」と笑顔を浮かべる。位置が10センチずれたら失点につながることもあるだけに、コーチ陣からポジショニングの指導も受けている。菅原監督からも守りやFWのサポートについてアドバイスを受けているといい、「まだまだ自分には可能性がある」と目を輝かせる。
レギュラーシーズンも残り4試合。初のプレーオフ出場に向け「出るセットの役割を確認しながら、チームの勝利に貢献したい」と意気込んでいる。