【ロンドン時事】ロシアの侵攻開始から1年を迎えるウクライナでは23日、東部などを中心に攻撃が続いた。英国防省の23日の報告によると、東部ドネツク州の要衝バフムト周辺で過去2日間にわたり激しい戦闘が発生。ロシア軍はさらに、同州の激戦地ウグレダル攻略へ再攻勢の準備を進めている可能性が高い。
ロシア軍は昨年後半と今月初めにもウグレダルを攻撃したが、失敗した。バフムトとウグレダルでロシア軍の犠牲は大きい。戦況報告によると、ウグレダル作戦のロシア部隊司令官は攻略へ上層部から「極端な圧力」を受けているが、戦力不足とみられている。
ウォレス英国防相は23日、ラジオ番組で情勢の見通しを問われ「あと1年(戦争は)続くと思う」と述べた。プーチン大統領の「破滅的な誤算」で、ロシア軍の死傷者は19万人近いと推計し「一線を越え、どれだけ戦死しても構わないと思っている人物が立ち止まるとは思えない」と語った。
一方、侵攻1年を前に公表されたウクライナの世論調査では、95%が勝利を信じると答えた。AFP通信によると、ウクライナの調査会社が今月初め、国民1600人以上を対象に実施した。ゼレンスキー大統領と自国軍を信頼すると回答した人はいずれも9割以上。北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)加盟を望む割合も86~87%で、ロシアの侵攻で欧米志向が一段と強まっている。