【イスタンブール時事】トルコ南部で起きた大地震による死者は15日、隣国シリアと合わせて4万1000人を超え、トルコでは地震による過去最悪の被害となった。被災地ではがれきの中から相次いで生存者が発見され、捜索隊が懸命の作業を続けている。
トルコのエルドアン大統領は14日夜、首都アンカラの災害緊急事態対策庁で演説し、大地震による同国内の死者が3万5418人に達したと発表した。ロイター通信によれば、シリアでは少なくとも5814人が命を落としている。
トルコでは、これまでで最も多くの犠牲者が出た1939年の東部エルジンジャン地震(死者約3万3000人)を上回った。エルドアン氏は「(1923年建国の)トルコ共和国は二つの巨大災害を経験した」と語った。
トルコの被災地では地震発生から9日たった15日も、生存者の発見と救出が続いている。現地メディアによると、15日も南部カフラマンマラシュ県で74歳女性や42歳女性の生存が確認され、病院に搬送された。南部ハタイ県では228時間ぶりに母親と子供2人が見つかり、命に別条はないとされる。
14日にも南東部アドゥヤマン県で77歳女性が212時間ぶりに助け出されるなどしていた。ロシアの侵攻下にあるウクライナから派遣された救助隊も14日、南部ハタイ県で30代の女性を205時間ぶりに救出したという。