全国で相次ぐ強盗事件を巡り、フィリピンの入管施設で拘束されている日本人4人の身柄の移送に向け、警察当局は6日、捜査員ら約15人を現地に派遣する。
捜査関係者によると、4人のうち2人は、7日に日本への移送が可能となる見通し。残る2人については、現地で6日に予定される刑事裁判の状況を踏まえ、日比両政府が日程などを協議する。
フィリピンで拘束されているのは、特殊詐欺グループの幹部などとして、窃盗容疑で逮捕状が出ている渡辺優樹容疑者(38)ら4人。同国入管当局は2019年11月、グループのメンバー36人を一斉摘発しており、被害額は総額約億円に上るとみられる。
7日に移送見通しの今村磨人(38)、藤田聖也(38)両容疑者は、フィリピン国内で問われていた罪が成立しないなどの理由で公訴が退けられ、6日までに身柄引き渡しの要件が整った。
残る渡辺容疑者ら2人は、現地で女性や子どもに対する暴力罪で告訴されており、裁判所での意見聴取の日程が、当初予定されていた7日から6日に変更された。
渡辺容疑者らは秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で「ルフィ」などと名乗り、入管施設内から強盗の実行役に指示していた疑いが浮上している。警視庁は4人を特殊詐欺事件の容疑者として逮捕後、一連の強盗事件との関連も捜査する。