7 ダイナックス 伊藤(いとう) 和弘(かずひろ) 社長 IWM量産 25年立ち上げ 創業50周年 グローバルに飛躍

  • 企業トップに聞く2023, 特集
  • 2023年1月18日

 ―昨年を振り返って。

 「本業の部品生産は半導体不足の影響で、売り上げは3~5%減で推移。部品を造るための原材料、電力など動力費、輸送などのコストも高騰し、経営的には厳しい一年だった。今年も半導体次第だが、受注は5~10%増える見込み」

 「昨年5月にワイン事業参入を発表し、反響が大きかった。2025年に販売を始める予定だが、引き合い、申し込みも既にある。ただ、もうけることが目的ではなく、異業種の仕事を通した仲間づくり、新たな発想や創造を持てる人材の育成が狙い。(異業種交流でも)ビジネスの可能性を探っており、クラッチ、摩擦材の固有技術を使った新商品造りも考えている」

 ―ワイン事業をなぜ安平町で進めるのか。

 「安平に従業員が移住しているが、18年の胆振東部地震で被災し、だまっていると衰退すると思った。弊社も自動車業界が100年に1度の大変革期を迎え、クラッチメーカーでなくなる日が来るかもしれない。『何とかできないか』と企業と農業で模索してワイン事業に発展し、町と包括連携協定を結んだ。安平の特産品チーズとセットでまちおこしになる。ブドウ栽培だけでなく、ワイナリー(ワイン醸造所)も造る」

 ―クラッチ板の生産動向は。

 「長期で見ると電動化シフトで緩やかに落ちる。日本で中心の小型EV(電気自動車)にクラッチは入らないが、ヨーロッパ市場の中型、大型EVはクラッチを必要とする。24年にハンガリー工場でEV車用のクラッチ製造を始める。クラッチはなくなることはなく、減った分は(小型EV向けの)インホイールモーター(IWM)、開発中のイーアクスルで補う」

 ―新設した苫小牧第6工場でIWM生産を予定している。

 「苫小牧第6工場を電動専用工場にしたい。秋に4億円を投資し、先行開発ラインを導入する。試作で技術を習得し、ビジネスにつなげる。先行ラインは1ライン、能力は月産1680台。第6工場は12ライン入るが、そうなると月産2万台、約50億円の投資。ベンチャーも含めて10社ほど引き合いがあり、(量産を)25年には立ち上げたい」

 ―昨年は苫小牧でメガソーラー、木質バイオマスボイラー導入を表明するなどカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出ゼロ、CN)に積極的だ。

 「ヨーロッパ市場はCNを実現しなければ取引できなくなる。メガソーラー、バイオマスを導入しても、二酸化炭素(CO2)削減量は全体の約16%。苫小牧、千歳工場で太陽光パネルをさらに導入する計画もある。今後は自然に左右されない再生エネルギー地熱発電に注目している」

 ―6月に創業50周年の節目を迎える。

 「当社のスローガンは『未来を今に』。1973年の設立当時、自動変速機(AT)が普及していない時代に手掛け、成長できた。IWMも10年前に研究開発を始め、電動化に結び付こうとしている。地域のご理解を頂きながら、未来を常に先取りしたビジネス、商品造りで、北海道の地にありながらグローバルに飛躍していく」

 メモ

 本社千歳市。自動車部品のクラッチ板製造は、トランスミッション台数ベースで世界一。苫小牧東部地域(柏原)に製造拠点を構えている

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