【ワルシャワ時事】ウクライナ東部ドニエプロペトロフスク州の州都ドニプロの集合住宅に対する14日のミサイル攻撃で、ウクライナ非常事態庁は15日、30人の死亡を同日夜(日本時間16日未明)までに確認したと発表した。負傷者は75人で、30人以上の安否が分かっていない。破壊された建物の下に閉じ込められている可能性があり、捜索活動が続いた。
ゼレンスキー大統領は15日夜のビデオ演説で、「テロリストによるミサイル攻撃」とロシア軍を改めて批判。「命を救える可能性がわずかでもある限り救助活動は続く」と強調した。
また、「テロを知りながら一言も非難しない全てのロシア市民」に「ひきょうな沈黙は、ある日この同じテロリストがあなた方を追い掛けに来るという結果を招くだけだ」と呼び掛け、自国政府・軍のやり方に反対の声を上げるよう求めた。
これまでに救助されたのは子供6人を含む39人。ロイター通信によると、攻撃から18時間以上経過してから救出された女性もいた。ゼレンスキー氏によれば、両親を失った子供が2人いるという。
ウクライナ空軍は、ロシアの対艦ミサイル「Kh22」が攻撃に使用されたと主張。ウクライナ空軍にはこのタイプのミサイルを「迎撃する能力がない」と指摘し、防空システム強化に向けた支援を各国に改めて訴えた。