自民党の薗浦健太郎衆院議員(50)=千葉5区=の政治団体が政治資金収支報告書にパーティー収入を過少記載したとされる疑惑で、東京地検特捜部が、政治資金規正法違反罪で薗浦氏を略式起訴する公算の大きいことが16日、関係者への取材で分かった。薗浦氏は特捜部の任意の事情聴取に「他の団体に振り分けると認識していた」と話しているという。
資金管理をしていた30代の公設第1秘書が収入を簿外管理していたことを認めた上で、薗浦氏にも過少記載を報告したと供述したとされる。特捜部は2日間にわたり薗浦氏から任意で事情聴取し、過少記載の認識が乏しかったと判断したもようだ。
関係者によると、主に過少記載が指摘されているのは、資金管理団体「新時代政経研究会」。2018~20年の収支報告書に、政治資金パーティーを東京都内で6回開催し計4362万円を集めたと記載されていたが、実際には計約4000万円多く集めていた疑いがあるという。
会計責任者だった第1秘書は特捜部に対し、パーティー収入の一部を除外し簿外管理していたことを認めたという。第1秘書は14年に事務所入りし、古参の元秘書と共に資金管理に関わり、薗浦氏に過少記載を報告していたと供述したもようだ。
薗浦氏は臨時国会閉幕後の13、14両日、特捜部の聴取要請に応じた。秘書から過少記載の報告があったと認めた上で、「資金の乏しい他の政治団体に振り分けると認識していた」などと話し、簿外管理などの具体的な処理方法や金額などに関しては「知らなかった」と説明したという。
薗浦氏はこれまでの取材に「過少申告の認識はなく、秘書に任せていた」などと釈明していた。