(5) 戦争遺構を訪ねて 当時想像すると胸苦しく

  • 特集, 記者ノートから2022
  • 2022年12月16日

 太平洋戦争終結から77回目の終戦記念日を迎えようとしていた8月10日、厚真町在住で地域の戦争遺構を調査している乾哲也さん(50)に、苫小牧市静川に残るコンクリート製の防御施設「綱木(つなき)トーチカ」を案内してもらった。

 きっかけは、先輩のひと言。「今度、苫小牧にある戦争遺構の取材に行くけど、一緒に来る?」

 4月に入社した関西出身の私は恥ずかしながら北海道、ましてや苫小牧に戦争遺構があることを知らなかったため、貴重な機会だと思い「行きます」と即答した。

 戦争遺構は、中学2年の時に原爆ドームを見学して以来で緊張しながら現場に入った。草木が生い茂り、長靴がないと歩きづらい森の中を3分ほど進むと、自然環境とミスマッチな無骨な箱形の構造物がひっそりとたたずんでいた。

 中に入ると、すぐに弾薬庫と口径47ミリの大砲の発射口を確認できたが、明かりがないとどこに何があるのか分からないほど暗い。いつ来る分からない敵に神経をとがらせながら、1発の砲弾で崩れてしまいそうな防御施設で息を潜めていた兵士の姿を想像すると、胸が苦しくなった。

 トーチカ周辺には人の手で掘られた戦者壕(ごう)や土塁も残っており、戦争がすぐ近くまで迫っていたことを実感した。

 乾さんは平和教育の一環で11年前から小学生らを対象に綱木トーチカの見学会を開いているが、現場を見て戦争への関心が深まったという参加者が少なくなかったという。私もその一人だ。戦後77年を迎え、当時を知る人が少なくなっていく中、戦争遺構は平和の尊さを伝える貴重な存在。ロシアによるウクライナ侵攻で戦争への関心が高まっている今こそ、遺構の保存や活用について活発に議論する契機だと考える。

 (陣内旭)

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