不正薬物や銃器などを取り締まる函館税関苫小牧支署(菅原功支署長)の年末特別警戒が7日、始まった。苫小牧市入船町の苫小牧コンテナセンターでは、佐野泰昭函館税関長が職員16人に「水際対策の緩和で入境者の増加が予想される。国民の安心と安全のために頑張ってほしい」と訓示した。特別警戒は16日まで続く。
全国の税関での不正薬物押収量は、昨年まで6年連続で1トンを超えている。年末は物流が活発となり、輸出入貨物が増加することから、不正薬物を紛れ込ませやすくなると警戒。期間中、監視船の巡回を増やすほか物流関連業者や市民に情報提供を呼び掛け、周知と密輸入の摘発を目指すとしている。
全国で今年上半期に押収された不正薬物は、大麻類が前年同期の約25倍に上る309キロで、昨年1年間の22キロを大幅に上回っている。近年は航空貨物便や国際郵便で郵送され、SNS(インターネット交流サイト)経由などで持ち掛けられた「闇バイト」で、受け取りを代行し摘発される事例もあるという。