胆振で急拡大 クラスター多発 ピーク見えず

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  • 2022年11月10日
胆振管内の医療機関で確認されたコロナ感染者数

  胆振管内で新型コロナウイルス感染が急拡大している。管内の医療機関で確認された感染者は9日、581人と過去最多を2日連続で更新した。苫小牧保健所は「感染急拡大の傾向は、苫小牧市内も同様。10月の3連休(8~10日)以降、増え続けている」と危機感を募らせ、「基本のコロナ対策に加え、窓も閉めがちになる時期だけに、1時間に1回程度の換気を徹底して」と呼び掛けている。

   「全数把握」の簡略化に伴い、道が現在の公表に改めた9月27日以降、管内の1日当たり感染者数は今月8日に568人、9日は581人に上った。単純比較はできないものの、感染者数を居住地別で発表していた9月26日以前の1日当たり感染者数と比べても最多。6日以降は医療機関や高齢者施設のクラスター(感染者集団)発生が続いており、同保健所は「今が頂点とは思えない。まだまだ増える」と見通す。

   同保健所によると、苫小牧の感染状況は、道、胆振管内とほぼ同じ傾向という。今年に入ってからの「第6波」「第7波」と同様、行動範囲も広い30代以下の若年層が半数を占めている。感染者は総数のみを把握することになっているため、推定だが、重症化しない子どもや若者から学校、家庭内などへ感染が広がり、高齢者らにうつるという構図が続いている模様だ。

   同保健所は「10月の3連休まで感染者数は減っていたが、週末ごとにイベントも多くなり、感染者数も併せて増え続けている」と指摘。「感染ピークは見通せず、医療体制が逼迫(ひっぱく)する可能性もある。『軽症だからいい』とは決して思わず、うつさない、うつらない基本の対策を徹底し、年末を迎えてほしい」と訴え、▽ワクチンの早期接種▽換気の徹底―を特に求める。

   また、(1)65歳以上(2)入院を要する人(3)重症化リスクがあり、治療薬か酸素投与が必要な人(4)妊婦―を除く「届け出対象外」は原則、自身の健康管理で自宅療養するよう求めており、同保健所は「日ごろから解熱剤や咳止めの備蓄を」と呼び掛けている。相談は24時間体制で受けており、自宅療養者は道陽性者健康サポートセンター フリーダイヤル(0120)303111。濃厚接触者は北海道新型コロナ健康相談センター 同(0120)501507。

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