満月が地球の影に入り、赤黒く見える皆既月食が8日夜、約1時間半にわたって日本全国で起きた。その後の部分月食が終わるまでに、天王星が月に隠される「天王星食」も発生。望遠鏡や双眼鏡を使えば、恒星よりやや大きい天王星が月の裏側に入り、やがて出現する様子がよく観測された。
国立天文台によると、月食中に太陽系の惑星が月に隠されるのは珍しい。日本で次に起きるのは2344年7月26日の土星食で、322年後になる。次の部分月食は来年10月29日、皆既月食は2025年9月8日という。
千葉県白井市では8日夜、市文化センタープラネタリウム開催の見学会が屋外であり、近くの児童ら500人ほどが集まった。市立七次台小4年、白椿陽雲さん(10)=同市=は「月食や惑星食がなぜ起きるのか不思議。学校の授業でも習ったが、月や天体にもっと興味が湧いた」と真剣な表情。千葉日本大学第一小3年、塩川真彩さん(8)=同県船橋市=は「いつもと違い、月の形が短い時間で次々に変わり面白かった。月や星のことをさらに勉強したくなった」と笑顔で話した。