【パリ時事】ウクライナ全土で10日朝(日本時間同日午後)、ロシア軍によるミサイル攻撃があり、モナスティルスキー内相によれば、17人が死亡、97人が負傷した。地元メディアによると、爆発は首都キーウ(キエフ)中心部にある情報機関・ウクライナ保安局(SBU)本部から数百メートルの場所でも起きた。
爆発は東部ドニプロ、西部リビウなどでも発生した。ロシアのプーチン大統領は9日、ロシア本土とウクライナ南部クリミア半島を結ぶクリミア橋の爆発事件を「テロ」と断定し、ウクライナの情報機関の仕業と主張。プーチン氏は10日の安全保障会議で報復攻撃を行ったと発表した。
攻撃を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領はツイッターで、先進7カ国(G7)緊急会合を開催することでドイツのショルツ首相と合意したと発表。フランスのマクロン大統領とも電話会談し、「欧州および国際社会の厳しい対応の必要性、ロシアへの圧力強化について話し合った」と述べた。独政府によれば、ゼレンスキー氏とG7首脳は11日にオンラインで会談する。
ゼレンスキー氏はビデオ演説で、ロシア軍のミサイル発が発射され、43発を迎撃したと指摘。無人機24機による攻撃もあったが、13機を撃墜したと語った。その上で「ウクライナをおびえさせることはできない」と強調した。クレバ外相も米CNNテレビに「ロシアが何をしようとも、われわれは領土の解放を続ける」と言明した。
リビウのサドビー市長はフェイスブックで、攻撃により一部地域で停電が発生し、温水も出ないと明らかにした。ウクライナのメディアは、自動車が焼け焦げ、道路が大きく陥没したキーウ市内の状況を伝えている。