安倍晋三元首相の追悼演説を立憲民主党の野田佳彦元首相が行うことが7日、決まった。自民党の高木毅国対委員長が立憲の安住淳国対委員長に打診。この後、立民側が受け入れ、自民に回答した。演説は衆院本会議で月内に行われる見通し。
高木氏は安住氏に「安倍昭恵夫人を含むご遺族、自民党としての総意でお願いしたい」と要請。「故人は長く首相を経験し、その重圧と孤独を最も知り得るのは前任の野田元首相だ。野田氏をおいて他にはない」と述べた。
打診を受け、立憲の泉健太代表、岡田克也幹事長、安住氏、野田氏が協議した。野田氏は席上、「誠に荷の重い話ではあるが、受諾させていただく」と応じる考えを示した。
泉氏は記者会見で「遺族の意向、自民党の総意がようやく示されたので、重く受け止めて対応した」と説明しつつ、「政府・与党の考え方、進め方が二転三転している。遺族にとってもよろしいことではなかった」と苦言も呈した。
野田氏は、立憲執行部が欠席した安倍氏の国葬に「元首相が元首相の葬儀に出ないのは私の人生観から外れる」として出席した。自民党執行部は8月の国会では甘利明前幹事長が追悼演説を行う案を検討したが、与野党の反発を受けて撤回した。