【バンコク時事】タイ東北部ノンブアランプー県の保育所で6日午後0時半(日本時間同2時半)ごろ、男が銃を乱射し、警察によると、子供20人以上を含む35人が死亡、約10人が負傷した。男は自宅で妻と子供を射殺した上、自殺した。
男は県内の元警官(34)。覚醒剤を違法所持した疑いで逮捕され、免職処分となっていた。銃や刃物で武装しており、目撃者によれば、子供たちの多くは昼寝中に刃物で襲われた。男はその後、車に乗って乱射しながら自宅に向かった。男の子供もこの保育所に通っていたが、1カ月ほど前から姿を見せなかったという。
保育所の外で事件を目撃した女性職員は「爆竹が鳴ったと思って見たら、男が発砲しながら敷地内に入ってきた」と振り返った。「とてもショックで悲しい。どうして私の教え子たちがこのような事態に巻き込まれたのか」と声を震わせた。
国連児童基金(ユニセフ)は「子供に対するいかなる暴力も非難する。子供が標的になってはならない」とする声明を発表。プラユット首相は記者団に「起きてはならない事件。被害者に最も深い哀悼の意をささげる」と述べ、犠牲者家族への支援を担当者に命じたことを明らかにした。
タイでは2020年2月、東北部ナコンラチャシマ県の商業施設に立てこもった兵士が銃を乱射し、市民ら29人が死亡する事件が起きている。