【ジャカルタ時事】インドネシアの地元メディアによると、東ジャワ州マランのサッカー・スタジアムで1日夜(日本時間2日未明)、試合終了後に暴動が起き、警官2人を含む125人が死亡、300人以上が負傷した。負傷者のうち11人は危険な状態という。負けたチームのサポーターがグラウンドになだれ込んだため、警察が催涙弾を発射し、一つしかない出口に観客が殺到、多くが窒息死したという。12~17歳の未成年者17人が犠牲になったとの情報もある。
同州は一時、死者を174人と発表したが、二重に計上していたケースがあったとして訂正した。在インドネシア日本大使館によると、日本人を含め外国人は巻き込まれていないとインドネシア外務省から連絡があったという。
スタジアムではインドネシアのプロサッカーリーグ、アレマ・クロノス対ペルセバヤ・スラバヤ戦が行われ、地元アレマが2―3で敗れた。警察によると、アレマは年間、このスタジアムでペルセバヤに負けたことがなかった。
試合には日本人選手2人が出場し、ペルセバヤの山本奨選手(25)が決勝ゴールを決めた。ペルセバヤの選手にけがはないという。アレマの山口廉史選手(30)は後半途中から出場した。
観客は約4万人で、アレマのファンだけが入場を許されていた。このうち約3000人が試合後、グラウンドに入り込んだとみられている。AFP通信によると、地元警察高官は「1カ所に大勢が殺到し、身動きが取れないまま酸欠になった」と惨事の状況を説明した。犠牲者のうち人はスタジアム内で死亡が確認されたという。
ジョコ大統領は哀悼の意を表明するとともに、「警察当局に真相解明を指示した」と述べた。
インドネシアのプロリーグ「リーガ1」には18チームが所属し、現在の順位はアレマが9位、ペルセバヤは10位。インドネシア・サッカー協会は、リーガ1の試合を今後1週間停止し、アレマに今シーズンの主催試合開催を禁じた。