ロシアのプーチン大統領は29日、ウクライナ南部のヘルソン、ザポロジエ両州の独立を承認する大統領令に署名した。ロシア編入に向けて23~27日に親ロシア派が「住民投票」を実施し、賛成多数だったと主張したことを受けた。
プーチン政権は計画通り、南部2州をいったん「独立国」とした上で、モスクワ時間30日午後3時(日本時間同9時)すぎ、ロシアとの「編入条約」に調印する方針だ。東部のドネツク、ルガンスク両州も2月21日の大統領令で独立を承認しており、4州同時に編入する。
編入条約の調印式はクレムリン(大統領府)で上下両院議員らを集めて行われる。まずプーチン氏が演説。政権のかいらいである親ロ派幹部4人と共に調印式に臨む。その後、クレムリン脇の広場で祝賀コンサートと称した「官製集会」が計画されている。
2014年3月のウクライナ南部クリミア半島の併合の際も、住民投票後、いったん独立を承認した上で「国と国」の間で編入条約を結ぶというプロセスを踏み、合法性を訴えた。
しかし、国際社会はこれを国際法違反と一蹴。クリミア半島のロシア併合も、プーチン政権が今年2月のウクライナ侵攻前に発表した東部2州の独立も認めていない。東・南部4州のロシア編入についても批判が相次いでいる。