ロシア全土で21日、プーチン大統領がウクライナ侵攻のために出した部分的動員令への抗議デモが行われ、人権団体OVDインフォによると、拘束者は38都市で1400人以上に上った。内訳は首都モスクワと第2の都市サンクトペテルブルクで各500人規模。侵攻が長期化する中、動員令に対して若者を中心に動揺が広がり、弾圧で沈静化していた反戦デモの再燃につながったとみられる。
独立系放送局「ドシチ」はこの日の生放送で、司会者が徴兵施設の担当者を装い、ペスコフ大統領報道官の息子ニコライ氏に電話。「翌朝時に出頭するように」と迫ると、ニコライ氏は姓を名乗った上で「当然応じない」と拒否したという。
ドシチが伝えたモスクワ中心部の映像では、デモ隊が「戦争反対」とスローガンを叫ぶと、警官隊が次々とデモ参加者を拘束して護送車に連行した。参加者が警棒で殴打されたり、意識を失ったりする様子も見受けられた。
独立系メディア「メドゥーザ」などによれば、プーチン氏が日朝の国民向け演説で予備役の部分的動員を発表した後、ロシア国民がビザ(査証)なしで渡航できるトルコやアルメニア行きの同日の航空券が完売となった。ただ、招集対象者の出国は制限されているという。
署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」では21日夜、部分的動員令に反対する人が30万人近くに達した。