【バンコク時事】タイ最高裁判所は13日、米人気俳優レオナルド・ディカプリオ主演の大ヒット映画「ザ・ビーチ」(2000年)の撮影により、ロケ地となった南部ピーピー島のマヤ湾で自然が破壊されたとして、撮影を許可した政府に復旧計画の提出を命じた。
地元当局が国や配給した映画会社を相手取り提訴。映画会社は仲裁裁判所から、復旧費として地元当局に10バーツバーツ(約4000万円)を支払うよう命じられている。
環境NPOによると、撮影に当たってビーチに重機が投入され、環境が大きく傷ついた。また、ビーチを広く見せるためにヤシの木60本が植えられた。原告の一人は取材に「20年以上かかったが、裁判所が撮影で自然が破壊され、復旧が必要と認めた点は評価したい」と語った。
マヤ湾には映画公開後、外国人観光客が殺到。サンゴ礁が破壊されるなど環境がさらに悪化したため、18年6月から3年半にわたって閉鎖され、生態系の回復に努めた。