(1)平和 自分たちの将来決める投票 市民団体「ぴーすぷろじぇくと」共同代表 榎戸(えのきど) 克美(かつみ)さ  ん(75)

  • 一票に託す 参院選 2022, 特集
  • 2022年7月1日
「世界平和には対話が欠かせない」と訴える榎戸さん

  「平和の実現には、対話を深めることが何よりも重要」

   二度と戦争をしてはいけないというメッセージを発信し続ける市民団体「ぴーすぷろじぇくと」の共同代表を務める苫小牧市泉町の榎戸克美さん(75)は、平和な国際社会を構築する上で必要な気構えをそう語る。平和な世界へ導く知恵を持っている候補者は誰なのかを自分で見極め、投票で意思表示する考えだ。

   米中対立やロシアによるウクライナ侵攻など、安全保障上の脅威の高まりを背景に防衛費に関連した公約が目立つが、榎戸さんは対話を通じた外交努力が欠かせないと説く。「防衛予算を増やすことは否定しないが、それよりも平和外交に予算やエネルギーを注ぐべき」と強調。「戦争を防ぐ手段を理解している候補者の登場に期待したい」と力を込める。

   「対話に当たっては相手国について知ることも重要」と指摘。航海士として多くの国を巡り、リタイア後も欧州を中心に訪れた国は50カ国を超える。

   「デジタル技術が発展した今は現地に行かなくてもインターネットを通じて情報を集められる。投票先を決める上で必要な知識も得られる」と話す。

   各級選挙の投票率は低下の一途で、特に無関心層が目立つ若者の政治参加が大きな課題だ。「選挙で投じる一票は政治だけではなく、自分が生きる将来を決めることにつながる。そのチャンスを無駄にしないでほしい」と訴える。

       ◇

   参院選が22日に公示され、北海道選挙区からは12人が立候補した。社会に山積する課題や投票の意義について、さまざまな立場の有権者に語ってもらう。全5回。

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