胆振管内で新型コロナウイルス感染が再拡大している。4月の新規感染者数は4763人で、月別では「第6波」ピークの2月(4777人)に次ぐ過去2番目の多さ。苫小牧市も同様の傾向で急拡大しており、4月24~30日の1週間は前週比35・6%増の686人と、5週連続で前週を上回った。
胆振管内の週合計新規感染者数は、「第6波」ピークの2月中旬、1500人台に達したが、下旬から3月上旬は緩やかに減少。3月は600~700人台が続いた。しかし、同21日にまん延防止等重点措置が解除されると、再びほぼ右肩上がりに増加。4月12日には約1カ月半ぶりに1000人を超え、4月末現在で1351人に上った。
胆振管内の傾向はそのまま、苫小牧市の現状をおおむね反映。道が毎週月曜に公表する自治体別感染者数によると、4月24~30日の週別人口10万人当たり感染者数は403人で、道の移行指標レベル2(同15人)を大きく超えた。苫小牧保健所は「苫小牧市は1~2月と同じような感染拡大状況だ」と警戒する。
保健所によると、市内の新規感染者数は、半数以上が20代以下。喉の痛みやせきなど軽い症状が多いため、無自覚、無意識のまま感染を広げ、とりわけ家庭内では高い感染率の状況にあるという。感染者数の大幅な増加に伴って、4月25日には有料老人ホームで新たなクラスター(感染者集団)を確認するなど、重症化リスクのある高齢者がかかるケースも増えている。
保健所は「このままでは、さらに急拡大する恐れがある。保健所管内の病床使用率も上がってきた」と危機感を強める。行楽などで外出機会の多いゴールデンウイークは4日で折り返しを迎えるが、「例えば屋外のバーベキューでも、会話するときはマスクを着用し、密を避けるなど基本の対策を徹底してほしい。普段から食料や解熱剤などを備蓄し、少しでも体の調子が普段と違ったら、自宅で安静に過ごしてほしい」と訴えている。