胆振管内で新型コロナウイルス感染が再拡大の兆しを見せている。3月21日にまん延防止等重点措置を終えて以降、週合計の新規感染者数は600人台で下げ止まりしていたが、月末からまた増えだし、1日現在809人に上昇。苫小牧保健所は「このままでは感染が再拡大する。いま一度、感染防止行動の徹底を」と訴えている。
胆振管内の週合計新規感染者数は、重点措置解除後の3月23日以降、6日連続で600人台だったが、同30日は1週間ぶりに700人台に上昇。4月1日まで3日連続で増え、2月28日以来約1カ月ぶりの800人台となった。
3月29日に室蘭市の有料老人ホームで新規クラスター(感染者集団)が確認されるなど、西胆振で感染者が急増したことも背景にあるが、同保健所は「苫小牧もここ数日は増加傾向にある」と指摘する。
オミクロン株による「第6波」では、2月12日をピークに感染者が緩やかに減少した。しかし、3月は週合計600~700人台が続き、国が緊急事態宣言を出していた昨年の「第4波」「第5波」と比べて5倍という高止まりを見せた。同保健所は管内の感染状況について「感染経路を追えない人が増えている。3人に2人の割合で不明が多い。感染者数の半数以上が20代未満」と説明する。
新年度のスタートに伴い、異動や転勤、新入学、入社など人の動きや、飲食などで集まる機会が増えている中、感染力の高いコロナ株がまん延し、市中感染を起こしているとみられる現状について「感染拡大を防ぐため、一人一人の行動が大事」と強調。「普段は会わない人とも会う季節。マスクを着用し、長話しないなど、うつさない、うつらないよう気を付けてほしい」と呼び掛けている。