アイスホッケー女子日本代表として3度の五輪に出場したFW久保英恵(39)が今季限りで引退する。「氷上のスナイパー」の異名を取るレジェンドは現役生活に幕を下ろす。故郷の苫小牧で本紙のインタビューに応じた久保が引退への思いを語った。
―最後の五輪となった北京大会のプレーを振り返ると。
「試合に出る時にいかに自分のパフォーマンスを出すかということに集中して臨んだ。足りない部分もあったけれど、決勝トーナメントに進出できたことはチームにとって意味のある勝利だったと思うので、そこに貢献できたことはうれしい」
―北京五輪を終えてメダルとの距離はどう感じたか。
「準々決勝フィンランド戦でトップとのレベルの差を痛感した。対等に戦うにはやらなければいけないことはたくさんあると強く感じた」
―長い現役生活の中で印象的な出来事は。
「2014年のソチ五輪で出場できたうれしさと結果を残せなかった悔しさは、続く2大会より大きかった。五輪に出て満足することなく目標をつくり続けたことは、現役を長く続ける原動力にもなった」
―今後のアイスホッケーとどのように関わっていくか。
「まだ明確なものはイメージできていないけれど、年に3回開いているスクールをさらに拡大してアイスホッケーをさらに広めていきたい」
―最後に苫小牧のファンにメッセージを。
「北京五輪でたくさんの人に応援してもらってアイスホッケーを多くの人に知ってもらえたことで、『アイスホッケーをやっていてよかった』と思えた。たくさんのご声援ありがとうございました」
―プロフィル
久保英恵(くぼ・はなえ) 1982年生まれ。苫小牧市出身。苫小牧工業高、北海道浅井学園短大(当時)卒。FWとして岩倉ペリグリンやSEIBUプリンセスラビッツなどでプレー。五輪の日本代表としては2014年のソチ、18年の平昌、22年の北京の3大会に出場した。